車を購入するためには、車種を選んだり、試乗したり、ローン審査を受けたりと、さまざまな段階をふまなくてはいけません。
また、契約後は納車までの間に必要書類を準備したりする必要もあります。
契約から納車までの間、スムーズに車を手に入れるためにも、買い方の手順を理解しておくことが大切です。
そこで今回は、現役ディーラー営業マンの僕が、新車か中古車か、購入先はどこがおすすめなのか?といった車の買い方のすべてを徹底的に解説します。
目次
車はどこで買えば良いの?
車の買い方には、大きく5つに分けることができます。
最もポピュラーなのは、僕も務めているカーディーラーで新車を購入することですが、ここ最近ではスマホが普及したことにより、アプリを使った個人間での販売も一般化しつつあります。
ここでは、5つの車の買い方について、それぞれの特徴をご紹介してみます。
①ディーラー
②サブディーラー
③中古車販売店
④オークション
⑤フリマ
①ディーラー
ディーラーとは、特定の自動車メーカー(トヨタ、日産、ホンダなど)の車を販売・メンテナンスを行う販売会社のことです。
ディーラーは自動車メーカーと特約店契約を結び、原価を抑えて仕入れることができますが、ひとつのメーカーの車しか取り扱うことができません。
また、全てのサービスは基本的に自動車メーカーの基準に沿って提供する必要があります。
ディーラーの一番のメリットは、メーカー保証が充実していること。
保証期間中に故障などの不具合があっても、ほとんどの場合メーカーが保証で修理してくれます。
そのため、故障にかかる費用などを気にすることなく安心して車に乗ることができます。
特に保証期間が終わる5年目以降の車検は、安心安全を徹底しているディーラーはどうしてもメンテナンス費が高くなる傾向があるのです。
②サブディーラー
次にサブディーラーとは、ディーラーから仕入れた車を取り扱う販売店です。
さまざまなメーカーの車がそろっているため、複数のメーカーで欲しい車がある場合にも相談や試乗がしやすいというメリットがあります。
一方で、店舗によってサービスや接客の質にばらつきがある上、ディーラーほどの保証が充実していない点が最大のデメリット。
そのため、独自の保証を用意することになりますが、保証内容はディーラー保証に劣る場合がほとんど。
メンテナンスの質に対しても、情報の提供や先進技術を利用した安全運転支援システムの整備に関しては、どうしてもディーラーに頼らざるを得ません。
③中古車販売店
中古車の購入先には、おおまかに「認定中古車を販売するディーラー」、「大手中古車買取・販売店」、「地域密着型の中古車販売店」の3つがあります。
「ディーラー系の中古車販売店」は、下取りした高年式の車をメインに取り扱うため、状態がよい車両が見つかりやすいという特徴があります。
また、保証やアフターサービスも充実しているため、安心して購入できるところがメリット。
ただし、車両価格が他の中古車販売店に比べて高い傾向があります。
「大手中古車買取・販売店」は、買取りと販売の両方を行っているため、車の仕入れに中間マージンがかかりません。そのため、車の状態に対して価格が安い傾向があります。
「地域密着型の中古車販売店」は、長いこと地域密着で販売や整備を行っているため、昔から付き合いのある顧客が多く、安心して相談できるメリットはあります。
ただ、経営者の世代交代や後継者不足により、サービスや整備のクオリティが維持できない店舗が多く見受けられます。
④オークション
オークションで車を購入する方法には、「オークションサイトの利用」と「オークション代行の利用」の2つがあります。
パソコンやスマートフォンを通じて、個人間で車を購入できます。
オークションサイトを利用するメリットは、中古車を安く購入できるところ。
しかし、「相手と連絡が取れない」、「代金が支払われない」などのトラブルが発生するケースもあり、初心者にはおすすめできません。
オークション代行は、販売店がユーザーに代わってオークションで車を購入する方法。
手数料を支払うことで、業者オークションで好きな車を購入できます。
オークション代行の最大のメリットは、店頭に並んでいない車種を選べること。
しかしその一方で、デメリットは現物を見ずに購入することになるため、「傷があった」「タバコ臭がする」など購入後に後悔しやすいことです。
また購入前提なので、店頭に並んでいる在庫車のように、現物を見て「やっぱりやめます」といったことができません。
⑤フリマ
フリマは、ここ最近出てきたオークションサイトのアプリ版です。
オークションサイトの場合は購入に必要な登録手続きが複雑なため、ある程度のパソコンスキルと車の専門知識が必要です。
それに対してフリマは様々な手続きが簡素化されているため、多くの方が利用できます。
ただし、よく知らない人物から車を買うことになるため、オークション同様にフリマにもトラブルがつきもの。
フリマも初心者の人にはおすすめできません。
新車と中古車どっちを選ぶべき?
車の購入を検討するとき、まずは「新車」と「中古車」のどちらにするかを決めなくてはいけません。
車は購入後も税金や保険、ガソリン代やメンテナンス費用など維持費がかかるため、予算に余裕があっても、購入費用はできるだけ抑えたいという人も多いはず。
そこで、新車と中古車のどちらを選ぶべきなのか、それぞれの特徴から選ぶポイントを見ていきたいと思います。
予算に余裕があるなら「新車」
自分の気に入った車種で、好きなカラーやオプションも選択できます。
新車は購入費用が高くなる分、ボタン1つで駐車できる機能や、ペダルの踏み間違い防止機能、衝突被害軽減ブレーキなど、最新技術を用いた装備による安全性能や走行性能などに期待できるというメリットがあります。
また、誰も乗っていない新しい車なので、自分の車だという満足感もあるはずです。
費用を抑えたいなら「中古車」
最も価格の安い軽自動車でも新車で購入すると100万円以上かかりますが、中古車なら、1年落ちの現行モデルが新車より2割程度安く購入できることもあります。
また、中古車市場には、展示車のようなほとんど走行していない「登録済未使用車」も多く出回っているので、安全装備なども搭載した新車同様の車を、中古車価格で手に入れることも可能です。
そのため、費用を少しでも抑えて車を購入したいなら、中古車がおすすめといえるでしょう。
予算決めから納車までの7ステップ
それでは、予算決めから納車までの一連の流れを7つのステップで解説していきます。
段取りを理解しているとスムーズに購入手続きが進められるので、事前にしっかり把握しておくと安心です。
①車購入のための予算決定
②車種選び
③気に入った車の試乗
④お見積り
⑤必要書類の準備
⑥契約
⑦納車
①車購入のための予算決定
車購入時の支払方法には、現金一括やカーローン、リースなどがあります。
カーローンを利用する場合は借入れが可能な金額を確認して、無理のない返済計画の範囲内で車の購入予算を決めましょう。
銀行などのサイトでは、返済シミュレーションで月々の返済額や支払総額などが試算できます。
販売店でもローンは可能で、その場で審査結果が出るので担当営業に相談してみましょう。
②車種選び
車を比較検討するために、車種を絞らずに車をいくつかピックアップしてみましょう。
予算やデザイン、装備、燃費性能などを比較して、自分に適した車を探してみてください。
それぞれの車の微妙な違いを踏まえ、候補を3~5つ程度に絞ります。
③気に入った車の試乗
試乗のメリットは、カタログのスペックだけではわからない乗り心地や走行性能を体感できること。
しかし、1回の試乗だけでは車の乗り心地や感覚を掴むのは難しいので、何回か試乗をして、本当にその車でいいのか慎重に検討しましょう。
何回も試乗することに引け目を感じる方もいますが、複数回の試乗は今や当たり前の時代ですので、気にせず担当営業にお願いしてみてください。
④お見積り
見積りには、車両価格の他に税金や各種手続きの代行手数料などが含まれますが、たいていの場合は値引きも一緒に記載されます。
そのため、どうしても値引きに目が行きがちですが、全ての項目をしっかりチェックするようにしましょう。
⑤必要書類の準備
車の購入時には、多くの書類を販売店に提出しなければなりません。
普通車は印鑑証明書、委任状、車庫証明の自認書もしくは承諾証明書などが必要になります。
軽自動車は、住民票と認印だけで登録できます。また、地域によっては車庫証明を提出する必要がありません。
⑥契約
これまでの一連の流れがスムーズに行われると、いよいよディーラーや中古車販売店で用意された契約書に署名捺印をして、契約を締結します。
また、支払い方法がローンの場合は申込書の記入が必要です。
契約の締結後は、すぐにメーカーへの発注や納車整備の手配が行われるので、少しでも気になることやわからないことがあったら必ず確認をしましょう。
⑦納車
納期には、需要と供給のバランスや輸入車かどうかなどが関係しています。特に最近は、半導体不足やコロナの影響で新車は納期がすごくかかります。
逆に中古車は車があるので、2週間程度での納車が可能です。
契約前にやるべきこととは?
車購入時の契約手続きをスムーズに進めるため、やっておきたい準備は以下の4つです。
●駐車場を確保する
●自動車保険を契約する
●下取車がある場合の手続き
●ローンの仮審査を受ける
●駐車場を確保する
ご自身の土地を駐車場として使用する場合は何も手続きは必要ありませんが、月極駐車場を借りる場合には車庫証明書の申請前に賃貸契約を結んでおく必要があります。
なお、賃貸物件などと同様に、敷金や礼金がかかることがあります。
●自動車保険を契約する
初めて車を買う方は、販売店や保険会社で自動車保険の契約する必要があります。
自動車保険もプランの内容によって保険料が変わってきます。
契約前か契約後速やかに担当者に相談して、保険料の試算をしておきましょう。
車を乗り換える場合は登録車両の切替えを行うことで、これまでの等級を継続できます。
●下取車がある場合の手続き
車を乗り換える場合には、いま乗っている車の処分方法を考えなくてはいけません。
売却費用を頭金として利用したいときは、より高値で売却するためにも数社に査定をお願いして比較検討しましょう。
手間をかけずに手放したい方には、下取りがおすすめです。
●ローンの仮審査を受ける
カーローンを利用する場合は、借入可能額を確認するために仮審査を受けておきましょう。
金融機関によっては、事前にサイト上で仮審査を申し込めるところもあります。
車購入に必要な書類とは?
契約後には、印鑑証明や車庫証明などさまざまな書類を販売店に提出しなくてはいけません。
警察署や市区町村の役所で取得しなくてはいけないものもあるので、時間に余裕を持って準備しておきましょう。
ここでは、販売店が用意してくれる書類と、普通車と軽自動車それぞれに必要な書類を解説していきます。
販売店が用意してくれる書類
販売店が用意してくれる書類は、次の3点です。
・自動車検査証
自動車検査証は、自動車保安基準に適合していることを証明するための書類。
車の種類や使用者、所有者などの情報が記載されています。販売店が運輸支局で取得してくれます。
・自賠責保険証
車の購入者には、事故の際の被害者救済を目的とした自賠責保険への加入が義務付けられています。
自賠責保険証は、自賠責保険への加入を証明する書類のことです。
・委任状
車の購入時に行う手続きを、販売店に代行してもらうために必要な書類です。
内容を確認し、署名捺印をして販売店に提出します。
普通車の購入時に必要な書類
普通車を購入する際には、実印や印鑑証明書などが必要になります。
・印鑑証明書
印鑑証明書は実印の登録を証明する書類で、市区町村の役所で取得します。
車の購入では、発行から3ヵ月以内の印鑑証明書が有効。なお、契約時には実印もセットで持参すると手続きが一度で済みます。
・車庫証明書
車庫証明書は車の保管場所を確保していることを証明する書類。
駐車場の所在地を管轄する警察署で申請します。
駐車場の賃貸契約を結んでいる場合には、管理会社などに「保管場所使用承諾証明書」を発行してもらい、申請用紙と併せて提出します。
軽自動車の購入時に必要な書類
軽自動車を購入する際に必要な書類は次のとおり。また、契約時には印鑑(認印を含む)も必要です。
・住民票
購入者の氏名や住所などを証明するために、住民票を提出します。市区町村の役所などで即日発行が可能です。
まとめ
今回は、初めての車の買い方を徹底解説!予算決めから納車までの7ステップとは?というテーマで解説してきました。
車の購入には準備も手間もかかるので、買い方をしっかり理解して早めの行動を心掛けると手続きもスムーズにいきます。