新車購入時自動車ローンで購入を考えられてる皆さん、営業マンから残価設定型自動車ローンを勧められたことはありませんか?
「月々の支払いが安く済む」「数年後また新車に乗り換えられる」などなどメリットばかり聞いて、なんとなく残価設定型自動車ローンにされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。その仕組みも独特であるため、わかりづらい面もあると思います。
今回はその残価設定型自動車ローンについてご紹介いたします。
目次
残価設定型自動車ローン
残価設定型自動車ローンとは?
残価設定型自動車ローンの「残価」とは、数年後にそのお車を下取り車として出した場合の価値=下取り車価格のことを言います。
支払期間に応じて設定された「残価」が据え置かれたローンのことで、「残価設定型プラン」「残価設定型クレジット」「残クレ」などディーラーによって名称が違ったりしますが、すべて同じローンのことです。
次のような間違った説明を受けたことはありませんか?
「数年後の下取り車価格を差し引いて、残りの金額をローンで支払う」とても魅力的なローンのように聞こえますが、これは間違いです。
正しくは「あらかじめ設定した残価(下取り車価格)を据え置いて、残りの金額を分割払いで支払う」です。
実際には残価として保証される下取り車価格は、あくまで最終回に据え置かれているというだけであって、ローンとして借り入れる金額そのものから引かれている訳ではありません。
残価設定型自動車ローンの例
一つ例をご紹介します。
200万円の新車を36回の残価設定型ローンで購入したとします。残価を仮に50万円とすると、36回の支払い回数のうち、35回は150万円を分割した額を月々で支払っていくことになります。36回目の最終回支払いで残価の50万円を何かしらの方法で支払うことになるのです。
自動車ローンの借入額は150万円ではなく200万円となります。残価の50万円はローンから差し引かれるのではなく、最終回に据え置かれています。
200万円を36回均等に分割して支払うローンに比べて、月々の支払額を抑えることができますが、元金が減った訳ではありません。当然残価分にも金利はかかっています。
残価設定型自動車ローンの最終回の支払い方法
最終回の支払いは3年後、または5年後のライフスタイルやご自身の状況に合わせてお選びいただけます。
・新しいお車にお乗り換え
・お車を買い取り乗り続ける(一括支払いか再分割か選択可能)
・お車を返却
この中からお選びいただけます。また月々の返済途中でも新しいお車への代替えは可能です。
下取り価格が保証されているというメリット
最終回の支払い方法として新しいお車にお乗り換え、もしくはお車を返却の選択肢を選ばれた場合、それまで乗ってきたお車を販売店に返すことになります。
そのときに走行距離や外装の傷など規定をオーバーしていなければ追加料金は発生しません。そのまま販売店にお車を引き取ってもらって手続き完了です。
このとき残価設定型自動車ローンの大きな強みは、下取り車価格が保証されていることです。
通常それまで乗っていたお車を下取りに出す場合は、下取り査定額はどうしてもその時の中古車相場の影響を受けます。その時勢のあおりを受けて下取り額が上下してしまうのは避けられません。
ところが残価設定型自動車ローンは、設定された下取り価格が保証されているため中古車市場が下火である時期でもその金額が下がることはありません。
これはお車の買い替えを検討しているユーザーにとって大きな安心材料になるのではないでしょうか。
残価設定型自動車ローンに向いている人
残価設定型自動車ローンの利用に向いている人は、
・お車の代替えサイクルが早い人
・常に最新のお車に乗っていたい人
・お車を乗る期間が決まっている人
・走行距離が平均的、もしくはそれ以下の人
残価設定型自動車ローンに向いていない人
残価設定型自動車ローンに向いていない人は、
・お車に長く乗る前提で購入する人
・走行距離が多い人
・最終回の選択肢として分割払いで残価を支払う可能性が高い人
まとめ
残価設定型ローンは、うまく利用すればほかのローンにはないメリットを受けられる魅力的なローンと言えます。ただしほかのローンに比べてその条件は限られています。自分にとってメリットがあるのかよく吟味してお選びください。